不動産

2021年における期待の星、豪州リート

By ジェームズ・メイデュー
グローバル上場不動産、ヘッド 豪州、シドニー

10年以上ぶりにインフレの上昇を示す兆候が確認され始めています。低金利環境、世界的な新型コロナ支援策、シクリカルな資金アロケーションの見直し、セクター内のM&A活動、インフレを伴う成長の可能性といった要因が相まって、2021年は、上場不動産セクターにとって魅力的な投資環境が形成される見通しです。

世界的に見ても、金利はゼロ又はそれに極めて近い状態が続いており、不動産に代表される資本集約型の資産にとって好ましい低金利環境が継続しています。

米国のバイデン政権が提案している1.9兆米ドルの経済支援策がその良い例であるように、世界各国の政府は、大型の刺激策を講じて、新型コロナで傷ついた経済に再び息を吹き込もうとしています。各国経済に流れ込んだ過去に類を見ない規模の資金は、資産のバリュエーションを下支えするだけでなく、最終的にはインフレ上昇の圧力となっています。

インフレが上昇する局面において、投資家はヘッジ手段を必要とするため、インフラや不動産といったセクターがスイートスポットに入ることになります。

コロナ危機を乗り切った企業が成長加速の機会を模索する中で、不動産市場ではM&Aなどの案件が既に増加傾向にあります。これに対し、過剰なレバレッジをかけていたオペレーターは資本増強を迫られています。収益が未だに正常化していない企業も存在しており、資本の再構築を行う以外に選択肢はない状況です。

ロックダウン措置によって繁華街が一夜にしてゴーストタウン化するなど、グローバル不動産市場では深刻な新型コロナの影響が瞬く間に広がり、キャッシュフローが大きな打撃を受けています。しかし、世界的にワクチンの普及が進む中で、私たちの生活はある程度正常化しつつあるという楽観的な見方が広まると同時に、バリュー株へのローテーションが進んでいます。

投資家が狙うのは「リオープニング(再開)トレード」であり、新型コロナの影響は、上場不動産企業の株価にほぼ織り込み済みであるという市場コンセンサスを考えると、今年は大幅な回復が見込まれます。投資家の注目は、ディフェンシブ資産から景気循環資産へシフトしており、割高なグロース戦略に代わりバリュー戦略が注目を集めています。

豪州の上場不動産セクターは、国境の再開とともに移民の増加から再び恩恵を受けると見込まれています。この見解は、極めて悲観的な内容の人口見通しとは相反するものですが、検討すべき要因は国境閉鎖やワクチンだけではありません。

新型コロナウイルスの猛威が吹き荒れた昨年、新型コロナウイルス感染の拡大防止において世界的にも優れた成果を上げたのが豪州であり、移民先としての魅力が一層高まっています。

豪州のコロナ対応は本当に素晴らしいもので、その経済や社会も比較的上手く機能している状態にあります。この様に、海外の優秀な人材にとって魅力的な受け入れ先となっている豪州では、移動・渡航の正常化に伴って、人口の伸びが上昇トレンドに回帰すると見込まれ、不動産価値を押し上げると見られます。

 

注目はオルタナティブ

数十年に渡り米国不動産市場の特徴となってきたオルタナティブ・セクターですが、ここにきて豪州でも注目が高まっています。この背景にあるのは、足元の環境下において、安定したキャッシュフローの伸びを提供する、オフィス・小売・商業用の主要セクター以外の不動産の魅力が認識され始めている点です。

豪州のオルタナティブ・セクターは、米州のそれと類似する点が多いと当社では考えています。2009年、米国のオルタナティブ・セクターがその不動産指数に占める割合は15%程度でしたが、現在は55%を占めるまでに成長しています。一方で、主要3セクターが占める割合は、同期間において40%から23%へと低下しています1

豪州の上場不動産市場で注目が集まるのは、これらオルタナティブ・セクターとなると当社では予想しています。簡易住宅、高齢者ケア施設、ヘルスケア、賃貸集合住宅(ビルド・トゥ・レント)、ホテル/リゾートだけでなく、モバイル通信塔やデータセンターといったデジタル・インフラや、Eコマース倉庫や配送施設など、オルタナティブ・セクターにおける投資機会の増加に伴って、投資ユニバースの構成も一変するでしょう。上場不動産プレイヤーの中には、この様な新興セクターへの進出を図る企業も一部見られますが、これら新興セクターの拡大をけん引するのは、セクター専門の経営陣を有するセクター特化の新規参入者となる見通しです。

軟調なオフィス入居率やEコマースの小売リターンへの影響など、完全に払拭されていない新型コロナの影響を、これらオルタナティブ・セクターの好調なパフォーマンスが補う展開になると当社では予想しています。

豪州不動産市場の世界的な認知度は高いとは言えません。世界をカバーするアナリストの多くは、主要なグローバルトレンドを追うのみで、成長期にある流動性が低めの次なる投資機会に関するインサイツは有していません。

低金利環境やインフレの上昇といった条件が揃う局面において、2021年のスターとなるポテンシャルを秘めたセクターは豪州上場不動産市場だと、AMPキャピタルは考えています。幸運と最大のリワードを勝ち取るのは、勇気ある早期参入者です。

 

1 MSCI米国REIT指数、AMPキャピタル

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