グローバル

リアルアセット2021年の見通し:変化する職場のコンセプト

2020年は波乱、そして激変の一年となりました。新型コロナウイルスというパンデミックによって私たちの生活と働き方は大きく変化し、深いリセッションが世界経済を揺るがす中で各国政府は過去に類を見ない規模の金融刺激策を次々と打ち出し、リアルアセット(実物資産)セクターではドライパウダーの積み上がりが一段と増加しました。一方で、気候変動に対する危機意識の高まりと取り組み強化に対するコミットメントが見られた点は、プラスの展開でした。現代社会を形成する様々な革新は、コロナ禍で加速しています。パンデミックとの闘いが続く中で、不透明感に覆われた2021年の様相は、昨年とは異なります。

ここでは、インフラストラクチャー・エクイティとインフラストラクチャー・デット、実物不動産、グローバル上場不動産とグローバル上場インフラストラクチャーの各チームが、注目する2021年の主要なテーマと投資機会を紹介します。

第2回は、変化する職場のコンセプトに関する運用担当者の見解です。

次世代の働き方はフレキシブル

不動産市場でも、既に進行していたトレンドがコロナ危機によって加速しています。リモートワークに関しては、世界規模の試行実験が行われた格好です。テクノロジーの進化や職場におけるIT技術の活用を通じて、オフィス勤務とリモートワークのバランスをより効果的に保つ事が可能となっています。優れた人材獲得に向けて競争が更に激化する今日、柔軟性のある働き方は今やニューノーマルになったと言って良いでしょう。オフィスという職場は、企業文化やコラボレーション、パフォーマンス性に優れたチームの形成において重要な役割を果たすという点に変わりはないものの、デスクに向かって仕事をするという従来の働き方ではなく、協働を促進するようなスペースで自由に働くスタイルへと進化していくと予想されます。

9時-5時の働き方は産業革命から生まれたものですが、デジタル化やテクノロジー、コロナ危機から誕生した現在の新しい働き方は、今後長期にわたり定着するものだと考えています。

ジェームス・メイデュー

グローバル上場不動産、ヘッド(シドニー)

オフィススペースに必要なのはクオリティとテクノロジー

2020年、オフィスセクターは劇的な構造変化を体験しました。熱い議論が繰り広げられている未来のオフィス像やその柔軟性は、当社でも注目しているテーマです。しかし、最終的な結果がどうであれ、生産性とコラボレーションの観点から、社員には集る場所が必要です。昨年、高クオリティのオフィスは良好なパフォーマンスを記録しています。2021年も、コロナ危機の影響が和らぐとともに、オフィスセクターでは幅広い回復が期待できると見ています。AMPキャピタルでは常に、投資に際して差別化を重要なポイントに位置付けてきました。中でも、上質なアメニティやスペック・仕様は、オフィスの役割が今後変化する中で、極めて重要となるポイントです。例えば、より柔軟な働き方を導入することで必要なデスク数が減少、ひいてはオフィススペースが縮小するに伴って、テナントとして入居する企業の数が増える事になりますので、これに対応できるスペックや仕様が確保されている事が重要となります。

ルーク・ブリスコー

不動産部門オフィス&物流担当マネージング・ディレクター(シドニー)

より健康的かつ安全で、環境に優しい職場

積極的なアセット・マネジメントは、オフィス資産に差別化の機会を提供してくれるものです。オフィス資産において安定した入居率を維持するにあたり重要なのはテナント顧客の満足度であり、AMPキャピタルでは、注力分野の特定に向けてテナント顧客とのエンゲージメントを強化しています。全ての不動産セクターがESGに対するコミットメントを掲げている様に、ウェルネスやテクノロジーを活用した効率性向上に対する注目が高まっています。この分野における取り組みの例として、当社が運営管理する不動産ポートフォリオでは、カナダのAI企業「ブレインボックスAI」が開発を手掛けた、屋外の気温やビルの混雑状況を反映してビル内の快適さとエネルギー消費を自動制御するAIを搭載したHVAC(空調)システム(AI)を導入しました。

カイリー・オーコナー

不動産部門ヘッド(シドニー)

次回は、主要なマクロ要因に関する運用担当者の見解をご紹介します。

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