不動産

新型コロナウイルス:上場不動産への影響と注目点

By ジェームズ・メイデュー
グローバル上場不動産、ヘッド 豪州、シドニー

新型コロナウイルス:上場不動産への影響

新型コロナウイルス感染拡大の初期における中国と米国の対応を見る限り、投資家は感染の更なる拡大と市場への影響に対する準備をすべきでしょう。

現在のところ、米国では、中国で新型コロナウイルス感染の封じ込めにある程度の効果を見せた様な措置は取られておらず、シンガポール以外では、その他の国が中国同様の措置を講じる余地があるのかには疑問が残ります。イタリアも封鎖措置を取っているものの、感染者数が急増する中で病院などの施設はパンク状態となっており、まだその効果を見るには時期尚早です。その他の国でも同様に、医療体制の問題が発生するリスクが高まっています。

米国市場は大暴落となり、ボラティリティが高まっています。新型コロナウイルスが経済に及ぼす脅威を投資コミュニティが実感したのはわずか最近であり、それまでは米国大統領選挙に向けた民主党の代表者候補選びの動向により大きな反応を示していました。ここにきて、隔離や渡航制限・禁止が発表されるとともに、全てが大きく変わっています。

今後2~3週間にかけて感染者数が急増するとなれば、政策担当者は、以前よりも断固とした対応が求められるでしょう。人の移動や物流の制限は経済にとって需給の重石となることからも、市場や信用状況が更に悪化する可能性もあります。

上場不動産の反応

各国の中央銀行による政策措置や政府による財政措置の観測がどうであれ、新型コロナウイルスというパンデミックを受けて、よりディフェンシブなポジションへの動きが高まるでしょう。AMPキャピタルでは、数週間前に取り組みを開始しており、状況の進展に合わせた調整を継続的に行っていきます。

これは、経済イベントを超えた公衆衛生上の危機です。この影響の度合いと収束の見通しを左右するのは、経済政策担当者にはコントロールできない事象です。

とりあえずのところ、経済成長は厳しい状況が続く可能性が高いことから、短期的な景気拡大観測に基づく投資リターンは、落胆する内容となる見通しです。小売やホテル・セクターの一部における問題は、このダウンサイド・リスクの結果であることが十分に示されています。ディフェンシブなポジショニングを求める投資家が注目すべきは、足元の経済環境における短期的なボラティリティの影響を受けない、長期の安定したキャッシュフローと強靭なバランスシートを持つ企業であり、現状においても需要増の恩恵を受ける事業モデルであると、AMPキャピタルでは考えています。

注目のセクター

住居に代表される基礎的なニーズ、つまり住宅は、この新型コロナウイルスによる需要への影響が少ないとみています。一般的に、低金利環境の継続が資産価値を下支えすると考えられます。人々には住むところが必要であり、今後は自宅で過ごす時間も長くなることから、消費者需要の問題が短~中期的に賃料収入へと波及する可能性も低いと考えられます。

中でも注目したいのは、米国の簡易住宅です。同セクターは、2008年の金融危機時やドットコムのバブル崩壊時においても、安定したNOI成長を記録しています。

通信タワーとデータセンターもまた、現在の環境下でも需要の伸びが期待できる分野です。現代の社会において、データ通信は生活必需品であり、先進国で人々の隔離が進むにつれて在宅勤務が増加することからも、その重要性が増すこととなります。中国では、封じ込め措置が取られた後にデータ消費とEコマース需要が爆発的に増加しており、この良い実例といえます。

今後成長が見込まれるもう一つのセクターは、ヘルスケアです。中でも注目したいのは、医療オフィスビルとライフサイエンスの研究ラボです。病院では新型コロナウイルス感染による入院患者が増加する中で、病院外での感染テストやその他の診察を望む患者が増加する可能性が高いことから、医療オフィスは病院に代わる外来患者の受け入れ場所となるでしょう。この需要に対応できる設備の整ったスペースは、収益成長の可能性を秘めています。

ライフサイエンス研究ラボの成長を加速させるのは、政府だけでなく民間企業やフィランソロピスト、NGOによる研究や予防措置への投資拡大であり、これらのうち複数は既に大規模な投資を発表しています。このような特殊なオフィスビルは、研究ラボを備えているという点でユニークであり、バイオテクノロジーやライフサイエンス企業の研究部門全てを一つのロケーションに収める事が出来ます。この様に、新型コロナウイルスのワクチン開発に寄与するような不動産を組み入れるなど、同分野においても、AMPキャピタルは既に良いポジションを確保しています。

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