ディフェンシブなポジションを提供するインフラは、現在の様な環境下において、ポートフォリオ組み入れにあたり魅力ある資産クラスであるとAMPキャピタルでは考えています。
新型コロナウイルス感染の莫大なリスクから個々のインフラ資産が影響を受けないという訳ではありませんが、安定したリターン、低いボラティリティ、堅実な長期のインカム利回りといったインフラ・セクターの特徴から、分散の高いインフラ・ポートフォリオは、他の資産クラスの多くと比較して、沈滞局面で打たれ強いと言えるでしょう。
一般的に、インフラ資産は経済や生活に必要不可欠なサービスを提供するものであることから、需要はその他のセクターよりも安定しており、利用・稼働率も景気悪化の影響を受けにくくなっています。従って、他資産クラスよりもボラティリティが低いこれらインフラ資産のリターンはより安定したものとなっています。

インフラ収入は、その多くが規制または長期契約に基づいたもので、将来キャッシュフローは予見性と確実性に優れています。
足元の環境下におけるインフラ・ポートフォリオのリスクを評価するにあたっては、組み入れ資産がこれらインフラの一般的な特徴をどの程度有するのかを理解する事が重要です。
インフラ資産を3つのカテゴリーに分けて検証します。
PPP(官民パートナーシップ)
PPPは、道路や病院、学校や公共交通システムといったインフラ・プロジェクトの開発において幅広く活用されています。
これらの多くは「アベイラビリティ・ベース」の資産であり、その収入は、利用/稼働のボリュームにかかわらず、インフラ資産が利用/稼働できる状態にある事を条件に支払われる仕組みとなっており、これら契約先のカウンターパーティは、一般的に信用度の高い政府機関です。これらのコンセッション(運営権)契約は、数十年という長期に渡るものがほとんどであり、景気後退から影響を受けにくくなっています。
規制公益
PPPと同水準の契約に基づくプロテクションはないものの、公益インフラの多くも景気後退からの影響を受けにくくなっています。一般的に、水道や電気に代表される公益インフラは、生活や経済に必要不可欠なサービスを提供するものであり、その需要は経済が後退する局面でも。また、価格設定も規制下にあるため、短期的な経済動向に振り回されることはありません。
その他の経済インフラ
足元の経済環境からマイナスの影響を最も受け易いのは、利用/稼働に基づくボリューム・ベースの収入形態をとる事業です。そのリスクは、事業モデルや新型コロナウイルス感染エリアとの距離の近さ、感染防止策などにより、資産毎に異なります。
各インフラ資産の特徴以外でも注目したいのは、新型コロナウイルス感染拡大をうけて、アセット・マネージャーがどの様な価値保全策やリスク回避措置を取っているかです。AMPキャピタルでは、この新型コロナウイルス関連のリスク管理において、確実な取り組みを積極的に実施しています:
- 社員や顧客にとって安全な作業環境を確保
- 財務面の影響を検討し、収入への大きな影響に対する対策を講じる
- パンデミックや事業継続計画(BCP)に基づく対応策を実施
- サプライチェーンや在庫への影響を検討し、代替となる取引先の確保など、サプライチェーンの中断に関するリスク回避に取り組む
その他の重要な検討事項として挙げられるのは分散です。これは、不透明感が高まる局面において、ポートフォリオのレベルだけでなく、ポートフォリオに含まれる資産クラス内における分散が極めて重要となります。例えば、運輸インフラのみで構成されるポートフォリオは、利用量などボリュームのリスクが極めて高くなると考えられ、幅広い種類のインフラを組み入れた分散ポートフォリオよりも、リスクが高いと言えます。
最後に、レバレッジの程度、景気動向に対するキャッシュフローの感応度、借入返済やコベナンツ、借り換え、運転資本などの要件を満たすことが出来るのかなど、各インフラ資産における事業のファンダメンタルズも検討する必要があります。
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重要事項
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