新型コロナウイルス感染の第２波を巡る懸念が高まっています。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が、流行の終わりには程遠いとの見解を示した事を受けて、20を超える州で新規感染者数の上昇トレンドが継続しているというニュース報道が広まりました。中国の北京でも、卸売市場における集団感染が報告されています。米国で大規模な反差別デモが行われたことも、不安をあおる結果となった可能性が高いでしょう。
3月末に付けた最安値から米国株は44%、豪州株は35%の上昇を記録した株式市場では、調整に見舞われやすい局面でこの懸念が高まった格好です。「心配の壁を登る株価は持続するのか？」のレポートで解説した通り、株価は6-7%程度下落した後、この下落分の一部を取り戻しています。
新型コロナウイルス感染の第２波は主要な先進国の株式市場にとって最大のリスクであり、投資家は注視すべきポイントです。
とはいえ、医療制度への負担や死亡率が比較的軽度で収まれば、政府や中央銀行による大規模な支援策が実施されていることからも、3月の様な深刻な影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。感染第２波のリスクは、検査実施の拡大、接触追跡や隔離を通じて低減する事が可能なはずです。
従って、先週における株価の下落は、幅広い上昇トレンドにおける調整局面であったと考えてよいでしょう。
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