豪州の商業用不動産市場では、キャップレートの上昇サイクルが10年目に突入します。一方、金利は過去最低水準にあり、この低金利環境は中期的に継続すると見込まれています。不動産は、未知の領域に入る事になります。この環境を乗り切るには、コア不動産投資の第一の目標である「長期サイクルを通じたボラティリティの低いリターンの獲得」をどの様に実現するのかについて、新しい思考が必要となっています。
AMPキャピタルでは、投資オポチュニティを継続的に評価し、リスク調整後リターンの最大化に向けた投資オプションの提供に取り組んでいきます。豪州商業用不動産をコア資産クラスと位置付ける認識が世界的に広まっていることから、シクリカルなパフォーマンスとリスクプレミアムに対する投資家の期待を上手くコントロールすることが引き続き重要となります。以下では、今後2年間で登場すると予想される主なトレンドをご紹介します:
- コア定義の拡大:不動産への資金需要が拡大しているものの、サイクルが成熟期に差し掛かる中でコア不動産へのアクセスが難しくなっています。よりディフェンシブ性に優れた不動産デットなど、コア以外のオポチュニティを模索する投資家の動きが確認されています。グローバルトレンドと同様、豪州でもコア不動産の定義が拡大する見通しです。
- 持続可能性へのフォーカス:ほとんどの主要資産クラスのリターンが過去最低となる中で、商業用不動産から優れたリターンを獲得する賢い方法は、持続可能性の世界的なベストプラクティスに注目することです。欧州を中心として、世界的により多くの資金がこのトレンドに注目すると予想されます。ESG投資は今後5年間でグローバルの主要なテーマとなるでしょう。
- マルチアセットのアプローチ:変化する消費者ニーズというチャレンジに取り組むために、全ての資産クラスにおいて、開発マネージャーはスキルの向上が求められるでしょう。テクノロジーの進化を受けて顧客ニーズが多様化しており、小売やロジスティクス施設を中心に従来の商業用スペース利用の形が変化しています。
このトレンドは、全ての伝統的な商業用不動産セクターで進行するでしょう。小売アセットの収入源の拡大・確保を目指す複合開発戦略、柔軟性を持たせたオフィス契約、全テナント向け最先端テクノロジーとエネルギー・ソリューションの提供等は、今市場でおきている変化の一例にすぎません。この流れを受けて、経済面そしてテクノロジー面でのイノベーションに適応するためのオポチュニティが登場することとなり、新しい不動産需要が生まれます。 - アジアの影響の波:中期的に、インカム利回りとセキュリティを求める世界の投資家は、欧州や米国からアジアへと資金を振り替える見通しです。比較的堅調な経済ファンダメンタルズや人口の増加、都市化の流れを取り込むべく、アジア太平洋市場への資金流入が増加すると予想されます。
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重要事項
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