不動産

豪州不動産2020年見通し:注目は引き続きロジスティクス

By ルーク・ディクソン
不動産部門リサーチ担当ヘッド 豪州、シドニー

2020年見通しを考える前に、2019年を振り返り、幅広いマクロ経済イベントがどの程度見通しに影響を及ぼしたのかを考えてみたいと思います。

業界関係者の多くは、私を含め、豪州準備銀行(RBA)による昨年の積極的な利下げを予想していなかったと言っても良いでしょう。今年も早い時期に2回程度の追加利下げが予想されており、不動産セクターにとって低金利環境の更なる長期化が何を意味するのかという点が、ポイントとなります。

一般的に、低金利環境が住宅と商業用不動産セクターにもたらす主なインパクトはバリュエーションの上昇ですが、その度合いはセクターや市場間でまちまちとなる見通しです。中でも、利下げを必要としていた経済分野へのエクスポージャーを持つエリアは、特にそうだと言えます。以下に、商業用不動産の見通しをセクター別にまとめました。

オフィス

商業用不動産セクターにおいて最も優れたリターンを実現しているのは、引き続きオフィスとなっていますが、今年の花形はロジスティクス・セクターとなる見込みです。幅広い経済の減速に伴って、ここ5年間にわたり健全な賃料の伸びを記録していたオフィス・セクターの熱が冷める一方で、ロジスティクスやEコマースなど、一般消費財や高い消費量を誇る分野に関連したセクターがアウトパフォームを開始する見通しです。

市場別にみると、メルボルンとシドニーでは、安定したイールドが維持されるとみられ、長期でディフェンシブ性に優れたポジションを提供しています。一方、パースとメルボルンでは、短期的なアップサイドが提供されています。また、市場が減速する中で、改装や更新等のポテンシャルを持つ不動産も、より高いリターンを確保するチャンスを投資家に提供しています。

ロジスティクス

2019年、見通しを上回る良好なパフォーマンスを実現したロジスティクス・セクターは、今年極めて堅調となる見通しです。テクノロジーやEコマース分野における長期の追い風を受けて、同セクターに対する世界的な資金需要は、拡大を続けると予想されます。現在7%程度のオンライン小売売上は、今年年末までに9-10%まで増加する見通しで、この成長スピードを考えると、これらオンライン産業を支える不動産需要も上昇すると考えられます。

トレンドを発掘するだけでなく、その投資機会にアクセスる事は容易ではありません。シドニー、メルボルン、ブリスベン、パースと、市場がどこであれ、優良ロジスティクス不動産のポートフォリオを創り上げるには、相当の時間とコストがかかります。これら不動産にアクセスするには、一般的に2つの戦略があります。まず一つはインフィルで、優れたロケーションやインフラを持つ、または顧客に近接している既存サイトにおいて新規テナントを獲得する方法、もう一つは都市郊外でグリーンフィールド開発を行って、テナントを集める方法です。

足元で選好するのはインフィル戦略です。これは、同ロケーションの人気は長期的に継続すると考えられるためです。

小売

今年最も優れたパフォーマンスとなるのは、利便性やエクスペリエンス(体験)の面で優れたアセットとなる見通しです。

注目したいのは、ネイバーフッド型ショッピング・センターです。中でも、メルボルンやシドニー、そしてパースの高成長市場では、人口と住居開発の増加が小売売上の伸びをサポートすると見込まれます。

一方、大型のショッピング・センターは、同セクターに対する世界的なセンチメントの冷えを受けて、資産価値が若干下落する可能性があります。とはいえ、一部の市場では回復の兆しが確認されはじめており、経済の安定化が幅広く進むにつれ、小売売上も上向き始める見通しです。この成長局面で重要なのは、最もディフェンシブなセクターにおけるポジショニングです。

まとめ

この様に、2020年における豪州不動産市場の見通しは、強弱混じる内容となっています。今年早期に見込まれている利下げによって、民間セクターの設備投資と雇用が底上げされれば、商業用オフィス・セクター、そして個人消費全般にとっても恩恵です。ショッピング・センターからオンラインへの小売シフトを受けて、ロジスティクス・セクターを中心にアップサイドが見込まれます。低金利環境と世界的な資金需要を背景に、バリュエーションは、商業用不動産で幅広く堅調さが維持されるでしょう。適切な商業用不動産エクスポージャーのポートフォリオ組み入れは、その人気の高さから、そう簡単にはいかないものの、商業用不動産セクターでは引き続き魅力的な投資機会が提供されています。

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