インフラストラクチャー

テクノロジーの進化が変える未来のインフラ像

By ボー・パハリ
インフラストラクチャー・エクイティ部門マネージング・パートナー&グローバル・ヘッド/ノース・ウエスト地域ディレクター 英国、ロンドン

AI(人口知能)の開発と普及に伴って、空港や通信技術が劇的に変化しています。

都市生活は、テクノロジーの進化を通じて、ここ10年で大きく変わり、AIが生活の隅々に浸透してきています。

わたしたちの社会や事業に革命を起こしたこの技術の影響を考える上で、最も代表的な例は通信です。これまでの通信から一転、地域の壁がないグローバルの交流や事業展開を可能としました。

インフラストラクチャー(インフラ)のコア・セクターにおいても、テクノロジーの影響は更に拡大する見通しで、ファンドマネージャーそして投資家にとって重要な検討事項となります。

空港

次を考えてみてください:顔認証技術は入国管理に革新をもたらしました。入国審査プロセスの効率化や最適化には、機械学習(マシンラーニング)が活用されています。

テクノロジーから最も大きく影響を受ける分野のひとつが、航空旅行です。手荷物管理の様に空港運営における主要な業務は、今後更なるデジタル化の可能性を秘めています。旅客者そして空港オペレーター両者の観点から、エクスペリエンス(体験)、費用、効率性を根本的に大きく変えるものとなります。

AMPキャピタルでは、複数の空港に投資しています。その中のひとつであるメルボルン空港では、搭乗までの空き時間をモニタリングし、エアサイド(保安検査場通過後の区域)で旅客者が過ごす時間を増やす方法を分析しています。このためには、旅客者がランドサイド(保安検査場通過前の区域)で過ごす時間を短縮しなければならず、スムーズな駐車場利用、保安検査の質を維持しつつも、作業スピードを上げて混雑を減らすなどの対応が必要です。

空き時間をどこまで最大化できるかによって、旅客者の空港体験はよりポジティブなものとなり、買い物利用客が増えることになります。これは、当社を通じてメルボルン空港へ投資している投資家にとって、重要なポイントです。

通信とインターネットの普及

iPhoneが初めて登場したのは2007年、いまから僅か12年前です。今日、スマートフォン技術は、人との交流やコミュニケーション、買い物だけでなく、事業においても、なくてはならないものです。中でも、アプリケーション技術は爆発的に普及しています。

今後は、既に身近なツールやサービスがより根付いてくると見込まれますが、これまでの様な勢いは至らないでしょう。機能性が大きく変化するとは考えにくく、新たな機能が登場する可能性も低いと見ています。それよりも、既に私たちが利用している基盤インフラがより強化されていくのではないでしょうか。

例えば、ロンドンの街を歩いていると、インターネットやWiFi接続がよく途切れます。利用者が集中する観光シーズンの夏場は、特に多発します。この問題を解決してくれるテクノロジーが5Gです。

このロンドンにおける5Gのような微調整や改善は、驚異的な効果を発揮します。これ以外にも、通信インフラの改善によってリモートワークが更に増加することで、オフィススペースの本質さえも変わる可能性があります。更には、リモートワーカーの増加は交通システムにも影響を与えます。つまり、全てはつながっており、改善の一つひとつが社会・経済面で何らかの影響をもたらすのです。

船舶と鉄道

もう一つの良い例が、鉄道システム管理です。鉄道網の運営において、時間と費用の観点から最も重要な検討事項は、継続的なメンテナンスです。近年では自動化が進んでおり、利用者の満足度や効率性、費用の観点から改善が見られています。

当社におけるポートフォリオ企業のひとつ、緊急対応救助船の運営を手掛けるエスヴァグトを例に取ってみましょう。従来、同社の船舶は海洋上でスタンバイし、緊急時には洋上風力発電所や石油プラットフォームに出動。また、24時間体制で捜索救助支援サービスを提供してきました。現在は、ドローンやAI技術を使った点検を実施することで、手間とコストのかかるモニタリングと緊急管理プロセスにおける大部分の作業を省くことに成功しています。

また、こういった診断装置の精度は極めて高く、スピードや安全面からもプラスの効果をもたらしています。事故回避の観点からも、事後対応ではなく、事前の積極的な取り組みが可能となっています。エスヴァグトは、異なるテクノロジーを上手く活用して既存のインフラ運用の改善を達成した素晴らしい実例です。

今後の課題

AMPキャピタルで注目しているのは、主に2つのテクノロジー・リスクです。それは、一部テクノロジーへの適応スピードと、これらテクノロジーが陳腐化するスピードです。

これらを念頭に置いて、当社では、ポートフォリオ全体を見渡し、テクノロジーの導入がプラス寄与する分野の特定に努めています。また、通信といったセクターへの投資においては、陳腐化リスクを検証するために、市場環境を継続的にモニタリングしています。

私たちは競争社会を生きています。投資時点のベースケース又はそれ以上の結果を出すには、あらゆるテクノロジーの進展を追い、適切なタイミングで導入を試みなければなりません。例えば、当社の投資先のひとつで港湾貨物処理を手掛けるITSコングローバルでは、需要によって労働装備率が大きく変動するため、これを上手く調節できるかが事業の収益性に大きく影響してきます。この管理能力は、テクノロジーの活用によって大きく向上しています。同社はまた、機器操作にGSPやIoTシステムを導入しており、機器やコンテナの動きや状況の把握にデジタル化したデータを活用しています。

テクノロジーの陳腐化に関して質問を受ける事が多いのは、光ファイバーと通信塔です。しかし、当社が実施した調査全てからは、光ファイバーに代わる新たな技術ソリューションが開発された場合でも、その商業化には15-20年程度の月日を要するという結果が出ています。

最後に、当社の目的は、黎明期のテクノロジーに飛びつく事ではありません。リスク回避の観点からも、私たちが目指すのは早期参入であり、初期参入ではありません。

市場が沢山の投資機会に溢れる一方で、考慮すべきリスクも存在します。正しい投資を行うためには、運用者の腕と戦略が重要となります。

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