フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグルに代表される巨大テクノロジー企業の台頭によって、バーチャルの世界だけでなく、実物資産の世界でも大きなパラダイム・シフトが起きています。
これらのIT巨人の登場を受けて、米国全国で不動産価格が上昇しています。不動産市場に対するアマゾンの影響力は、同社がニューヨークのクイーンズにおける第2本社建設撤回のニュースからも明らかです。
当初の計画は、ニューヨーク市が30億米ドル規模の助成金や税優遇処置を提供する代わりに、アマゾンが2万5千人の雇用を創出するというものでした。しかし、地元の政治家や住民らによる反対の動きを受けて、アマゾンは同計画を取りやめています。
メディアであまり取り上げられなかったのは、そもそもアマゾンは、当初から、第二本社の一部のみをニューヨークに設け、残りはワシントンDC近郊のバージニア州北部に配置する計画だったという点です1。
では、巨大テック企業の移転によって、地元の不動産市場にはどの様な影響があるのでしょうか?
米国有数のIT産業都市とも言えるシアトルでは、テクノロジー企業が占めるオフィススペースは約280万平方フィートに達します。アマゾンもこのシアトルで誕生したわけですが、すでに必要なスペースが確保できなくなっています。アマゾンは合計約410万平方フィート規模のスペースが必要となると見込んでおり、これは約25億米ドル規模の不動産投資に匹敵します。更には、18億米ドル規模のインフラ投資や政府による教育投資も見込まれています2。

オフィススペースやインフラを必要とするのは、アマゾン本社だけでなく、アマゾンのサテライト企業も同じです。
推定によると、アマゾンの従業員数は、2010から2018年にかけて、6千人から4万5千人へと増加しています3。このアマゾンの伸びを除いても、シアトルでは過去平均を16万9千件上回る雇用が創出されているのです。
賃料成長率も、IT都市で大幅に高くなっています4。シアトル、サンフランシスコのベイエリア、テキサス州オースティンでは、2010年以降オフィス賃料が5%超のペースで伸びており、これはニューヨークやシカゴの伸びを大きく上回っています。
アマゾン第二本社一部の建設が予定されているワシントンDCでは、まだオフィス賃料の急激な上昇は確認されていません。実際の所、従来の市場やメジャーなIT市場よりも絶対値ベースで低くなっています。
アマゾンが移転し、更なる拡大を続けるとすれば、ワシントンDCはテクノロジー産業の中核都市へと発展するでしょう。これは、長期の高成長を維持するため必要なインフラ開発を促すものであり、経験豊富な投資家にとって魅力的な投資機会を提供するものです。
ワシントンDCのオフィス市場への投資機会は、AMPキャピタルの上場不動産戦略を通じてアクセスが可能です。詳細は、こちらからどうぞ。
1. アマゾン、「Amazon selects New York City and Northern Virginia for new headquarters」、2018年11月
2. JBGスミス、「Amazon HQ at National Landing update」、2018年12月
3. BLS、イーストディル、2018年12月
4. JLLリサーチ、2018年12月
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