今年、2019/20年度の連邦予算案は、例年より前倒しで発表となります。
豪州政府は、5月末までに行われる連邦総選挙をにらんで、連邦予算案の発表を4月2日に繰り上げた格好です。
今年も、2016年と同じように、連邦予算案の発表後まもなく、総選挙の発表が続くと予想されます。
予算案の見通し
豪州経済の減速と景気後退懸念が高まる中で、2019/20年度の連邦予算案には注目が集まります。
以下に挙げる理由から、2019/20年度予算は明るいニュースを提供する内容となると当社では見ています:
1. 改善の兆し
まず最初に、財政状況の更なる改善が確認できると見込まれます。例えば、鉄鉱石の価格は、当初予算に盛り込まれた1トン当たり55米ドルを大きく上回る同80~85米ドル近辺で推移しています。
当初見通しに対して、1トン当たり鉄鉱石価格が10米ドル上昇すれば、1年間で30億米ドルの追加歳入に相当します。
2. 黒字化は計画通り
昨年12月に発表された年央経済財政見通しによると、連邦予算の収支は、当初見通しから年間約30億豪ドルのペースで改善しており、来年度の黒字化達成に向けて順調に進んでいます。2019/20年度予算案にも、これが盛り込まれると予想します。
3. 景気刺激策の余地
収支が改善しているという事は、景気刺激策の余地があるということです。これは、2019/20年度の連邦予算案における最大の目玉とも言えます。
豪州政府は、7月スタートの減税を打ち出すと見込まれます。全体的に見た場合、それほど大規模な内容ではないものの、豪州経済や家計の助けとなるでしょう。
そして、実現の見込みは低いものの、年金生活者と低所得者層向けに一時金の現金支給が検討されています。また、支出措置が幾つか打ち出される可能性もあります。
連邦総選挙の影響
実際にどの様な刺激策が予算に盛り込まれるかは、連邦総選挙の結果によって左右される見通しです。与党保守連合が勝利した場合、7月の注目点は減税策とその上院可決となる見込みです。
一方で、野党労働党が勝利した場合、低・中所得者層寄りの減税案が打ち出されると予想されます。もちろん、支出措置の規模も、より大きいものとなる可能性が高いです。
明るいニュース
財政が健全化に向かっているとはいえ、連邦政府が楽観的すぎる内容の予算案を組むことはないでしょう。なぜなら、今後、景気の減速とともに歳入の重石となるからです。
しかし、短期的には、相当ポジティブな材料が期待できるでしょう。
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