環境・社会・ガバナンス(ESG)

動物福祉:投資家の注目を集める新たなESG課題

By イアン・ウッズ
ESG(環境・社会・ガバナンス)インベストメント・リサーチ担当ヘッド 豪州、シドニー

投資家の間でESG(環境・社会・ガバナンス)課題への取り組みが拡大する中で、新しい重要な検討事項として、動物福祉への注目が高まっています。

動物福祉リスクの調査においては、ファンダメンタルズ分析を通じて将来の収益成長とそのリスクを検討します。企業が置かれている外部環境や外部サステイナビリティ要因をどの様に管理・対応しているかを見る事で、事業が直面するオポチュニティや向い風を特定します。

投資家の注目が高まっているとはいえ、動物福祉をESG課題として考える際、その関係性や重要性は事業毎に異なります。例えば、スーパーマーケット事業にとっては極めて重要な問題である一方、ESGアナリストにとっては分析事項のひとつに過ぎません。

社会問題としての動物福祉

動物福祉は、政治や世論に対して影響力を持つ社会問題に発展しつつあります。また、公共衛生の問題でもあり、規制リスクに発展する可能性があります。

フリーレンジ(放し飼い)の卵やホルモン剤不使用の肉など、健康的な食生活を望む消費者が増えています。つまり、動物福祉面での優良な取り組みや実績は、企業にとって差別化要因であり、持続可能なリターンにつながるという訳です。

商品の差別化がこれまで以上に重要性を増していることからも、これはビジネスチャンスだと言えます。動物福祉を含むサプライチェーン管理に対する消費者意識の変化も、この背景にある要因のひとつです。

この様な流れを受けて、動物福祉の重要性と投資家の注目が高まっています。

リスクのベンチマーク化

この複雑な課題に対する投資家の取り組みにガイダンスを提供しているのが BBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare、畜産動物福祉に関する企業のベンチマーク)です。同社は、食品企業における畜産動物福祉の方針、慣習、開示を評価し、ベンチマークを公表しており、投資リターンに影響を及ぼす動物福祉問題のリスクを分析するにあたり重要なツールとなっています。

投資家は、このベンチマークを活用することで、死亡率や飼養期間、サプライチェーンにおけるケージフリー(カゴを使わない平飼いや放し飼い)の産卵期の雌鶏の割合といった問題の理解を深める事が可能です。また、抗生物質の使用も検討項目のひとつに含まれています。

動物福祉のリスク管理も検討対象となっています。これらには、動物福祉に関する企業方針、そのガバナンスと管理、経営、これらの実績、イノベーションが含まれます。

同ベンチマークは、これらリスクを企業がどの様に管理しているのかという最も重要なポイントを理解するにあたり、極めて有効なツールとなっています。

中でも、投資家が注目したいのは企業におけるリスク管理の進展です。リスク管理が改善しているのか、それとも停滞しているのか、もし後退しているのであれば、それは警告のサインと言えます。

この観点からも、このベンチマークに対する企業のパフォーマンスを継続的に見る事で、時間の経過と共に改善が見られているのか、つまりリスク管理が機能しているのかを見分ける事が可能となります。

モメンタムに改善が見られるのであれば、社会面におけるプラス要因として捉える事ができるでしょう。

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