2019年も残り少なくなりましたが、AMPキャピタルでは、年末から年明けにかけて、複数のグローバルのテーマとイベントに注目しています。投資ポートフォリオにおける幅広い債券の役割を理解している投資家は、これら幅広い動向に注目すべきでしょう。
長期にわたり低迷していた債券ですが、足元では堅調な伸びを記録しています。次のグラフでは、豪州債券市場を一例として示しています。この背景にある理由として、グローバル経済回復への期待感の高まりに債券市場が反応し始めた点が挙げられるのではないでしょうか。
ここでは、債券市場に影響を及ぼす世界的な主要イベントを取り上げます。
金融情勢
政策緩和を受けて、よりサポーティブになった世界の金融情勢は、2020年以降も引き続き注目すべきポイントの一つです。
実際に、来年の世界経済見通しがポジティブである理由の一つは、今年実施された金融緩和です。
とはいえ、世界の中央銀行は当分の間ハト派姿勢を維持すると見込まれており、一部では追加緩和の余地に乏しい状態となっています。豪州準備銀行（RBA）は、連邦政府による財政出動を呼びかけています。
世界成長
世界経済成長も注目すべきポイントであることは、言うまでもありません。全体的にみると、金融政策からの影響を間違いなく受けるものの、いまだ力強さに欠け、景気後退のリスクが残っています。
さらには、継続的に弱含んでいる分野には注意が必要です。例えば、貿易摩擦を背景に欧州やアジアが弱含むリスクが定着してきています。これは、時間の経過とともに、米国へと波及する可能性があります。
また、コアインフレ率は抑制されているものの、世界的な成長回復となった際には徐々に上昇すると予想されます。
貿易摩擦
グローバル経済に大きく影響を及ぼしてきた米中貿易戦争ですが、債券市場もこの連鎖的な影響を受けています。
2020年の総選挙が目の前に迫る米国の政治情勢を受けて、短期的な打開策が登場するかもしれません。トランプ米大統領は経済の安定化に対するプレッシャー下に置かれた状況で、中国との貿易協議の進展は、同氏の大統領選キャンペーンにもプラスです。
しかしながら、この貿易摩擦は主要なリスクであり、その影響をモニタリングする必要があります。
豪州債券市場
低金利環境が継続する中で、豪州債券市場の投資家も、ポートフォリオにおける債券の役割に疑問を抱き始めている事は間違いありません。
数十年に渡る利回り低下を考えると、豪州債券から従来と同程度のディフェンシブ性を期待することはできませんが、マイナス利回りの債券が増加する中で、豪州債券が提供するディフェンシブ性は引き続き魅力です。利回りは低いものの、トリプルA格を有する流動性に優れた豪州債券は、他国の債券よりもディフェンシブな資産としての魅力に優れています。
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