インフラストラクチャー

高等教育ブームの波に乗る学生寮

By AMPキャピタル

地元から遠い大学に通うにあたり、念願の1人暮らしを始める学生も多い事でしょう。豪州において、大学進学を機に実家を出る学生は、これまで全体の僅か17%にとどまっていました1。しかし、この割合はここ5年間で25%増と、学生の住宅事情は急変しています。

実家を出る学生は宿泊先が必要である一方、主要都市における賃貸物件の家賃は高値、かつ空きが少なくなっています。この需要ギャップを埋めるものとして注目されているのが、パーパスビルドの学生寮(PBSA)です。10年間に渡る海外留学生受け入れ増加を背景に、これら学生寮の人気は既に高い状態にあり、投資家もこのトレンドに目を向け始めていると語るのは、AMPキャピタルの豪州分散型インフラ戦略の運用を手掛けるブラッド・ウィリアムズです。

豪州における大学入学者数は、連邦政府が受け入れ人数の制限を解除(費用の上限は維持)した2010年以降、増加を続けています。

この政策を受けて、豪州の大学はより積極的に学生を受け入れ始め、学生の獲得競争が激化しました。

競争力を維持し、より多くの学生を獲得するためにも、クオリティが高く、かつ料金が手頃な学生寮の必要性を、大学も理解しているのです。

これら学生寮の投資機会を支えているのは、需要の伸びと供給先細りという長期トレンド、そして豪州教育を貴重と考えるアジア圏ミドルクラスの階級が上昇している点も忘れてはなりません。これらのダイナミクスを背景に、先行き不透明感が漂うグローバル環境下において、学生寮というディフェンシブなポジショニングを取得する機会が提供されています。

不動産なのか、それともインフラか?

大学とは無関係の第三者が大学キャンパスに程近いロケーションで物件取得や開発を行い、学生に対する営業を手掛ける学生寮を、単純な不動産プレイと考えるのは珍しくありません。これら学生寮の事業モデルは長期滞在型ホテルに類似しているため、その訴求力は、主に海外留学生と限定的でした。投資の観点からは、大学との契約保証なしでは大学の戦略変更や大学自身による学生寮開発といったリスクが存在します。

AMPキャピタルが行うPBSA投資は、これとは異なるものです。物件と土地の(フリーホールド)所有権を取得するのではなく、大学との連携を通じてキャンパス内の学生寮開発プロジェクトへ資金提供を行います。固定期間における大学寮の運営・維持コンセッション権利を取得するため、不動産よりも、PPP道路建設プロジェクトなどのインフラ・プレイにより類似しています。この様な投資の価値は、国内不動産価格動向からの影響を受けない、契約に守られた長期のキャッシュフローにあります。そして、多くの場合、類似したインフラ投資よりも優れたリターンを提供してくれます。学生寮への投資において検討を要するのは、ビザ条件、海外留学生受け入れ人数、為替変動、国内不動産市場といった規制リスクですが、AMPキャピタルでは、これらの影響を受け難い有名大学に着目しています。

この一例として、AMPキャピタルは最近、オーストラリア国立大学(ANU)学生寮の運営権を取得しました。合計で4,000床を持つANUの学生寮ポートフォリオは、豪州最大です。QS世界大学ランキングで豪州トップにランクインするANUでは、海外留学生が1万人超と全体の40%を占めています2。残り6割の国内学生も、進学を機に州境を越えて引っ越す割合が高くなっています3。この結果、需要が供給を上回る状況となっており、ANUはキャンパス敷地内の学生寮拡張に乗り出したという訳です。

  • 長期のコミットメント
    当社が取得したANU学生寮運営権の残存期間は34年、その間の賃料はCPI(物価指数)に連動して上昇する契約内容となっていることから、長期に渡り安定したキャッシュフローの獲得が可能です。また、施設の管理義務を有するということは、アセットのクオリティを管理できるという事であり、資産の競争力を維持することが可能です。
  • キャンパス敷地内というロケーション
    キャンパス敷地内に位置する学生寮は、国内外を問わず、学生から幅広く人気を集めています。大学にとっては、土地取得を必要とする敷地外の学生寮よりもコストが低いというメリットがある一方で、学生にとっては学習サポートや交流イベント、キャンパスに近い等の魅力があります。ANU学生寮の稼働率はここ5年の間98%超を維持しており、安定して推移しています。
  • 著名な大学との協働
    AMPキャピタルは現在、豪州有数4の大学3校における学生寮の運営権を所有しています。その評判の高さやランキングを背景に国内外の学生から人気が高いこれらの大学は、豪州の大学入学者数の変動から影響を受けにくくなっています。

今後においても、AMPキャピタルは規模や稼働率、契約保証など、条件に見合ったプロジェクトを選抜的に手掛けていく計画であると、ウィリアムズは語っています。

長期の契約期間を通して安定的かつ強靭なパフォーマンスを達成してきた実績を持つAMPキャピタルは、大学からも、学生寮拡張における望ましいパートナーとして受け入れられています。

サヴィルズのリサーチによると、豪州主要8都市におけるフルタイムの学生数は、ここ10年で年率平均4.5%のペースで拡大しています。海外留学生も増加を続けており、2012から2017年で41%増を記録しました。大学は急ピッチで対応を進めているものの、キャンパスにほど近い土地の取得が難しく、新たな学生寮開発が進まない状況に頭を抱えています。2019年に提供が見込まれている学生寮は僅か28,000床と、2018年の35,000床から減少しています1

同リサーチによると、PBSA 1床当たりの海外留学生数は2020年までに3.75名に達する見通しです。国内の需要を含まないこの数値は、グローバル水準と比較しても極めて高くなっています。大学進学を機に実家を出る国内学生数の増加傾向を考慮すると、この需給バランスの崩れは当分の間続くと見込まれる事からも、PBSA投資家にとって良好な環境が継続するでしょう。

1. サヴィルズ・リサーチ、「Australian Student Accommodation – Q1 2019: Spotlight on Development」、2019年4月
2. オーストラリア国立大学
3. ザ・ニュー・デイリー、「ATAR no longer the only factor for year 12 applicants, ANU says」、2018年5月

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