環境・社会・ガバナンス(ESG)

ESGラップ 2018年9月

By AMPキャピタル

今月の注目トピックス

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グローバルEコマース大手:不安を抱える労働者

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自動車メーカー:新しい排出ガス試験で新たな不正疑惑

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サンフランシスコ市の気候変動決議:米国保険会社に圧力

グローバルEコマース大手:不安を抱える労働者

  • 豪州では最近、グローバルEコマース大手数社が、国内顧客への迅速なサービス提供に向けて倉庫を開設しています。これらのフルフィルメント・センター(出荷倉庫)では何千もの商品が保管されており、労働者によって梱包され、配送されています。
  • これら出荷倉庫で働く労働者の多くは、Eコマース企業との直接雇用ではなく、第三者の労働派遣業者を通じて臨時雇用されています。
  • これら倉庫の一部では、勤務中の労働者の行動が全て監視・分析されていることが最近のレポートで明らかになりました。
  • 当日の受注数によっては突然シフトが取り消され、合意した労働時間を与えられていないと一部の労働者が主張しているとフェアファックス・メディアは報道しています。また、作業員は、勤務中の行動全てが監視されており、解雇を恐れて、休憩やトイレに行くことができなかったとしています。
  • これら労働者に支払われた時給は、近隣の競合他社施設で働く労働者より低く、労働協約を交渉することも許されていませんでした。

ポイント

  • こうしたグローバルEコマース大手の多くは、驚異的な高効率を実現しています。テクノロジー革新によって、世界中の消費者はあらゆる商品を手ごろな価格で購入し、配送を通じて迅速に受け取る事が可能となっています。残念ながら、消費者が恩恵を受ける一方では、その労働者が賃金や労働条件で苦しんでいます。
  • 労働者の交渉力、臨時雇用化、長期化する賃金低成長の関係は、現在、政策界で注目されているテーマです。法令は、これらの労働者を確実に保護するものでなければなりませんが、法改定だけでは不十分です。
  • 企業との交渉は、最終利益に影響を与える場合には特に、難航すると見込まれます。その場合、投資家による企業の責任追及がより求められるようになるでしょう。

出所:シドニー・モーニング・ヘラルド、2018年9月

 

自動車メーカー:新しい排出ガス試験で新たな不正疑惑

  • 欧州委員会(EC)は、新しい排出ガス試験方法において自動車メーカーによる不正の証拠を発見しました。前回とは異なり、厳格なCO2排出量上限をより容易に守る事ができるように、自動車メーカーは過剰な汚染をしています。
  • 2017年からは、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP:Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)の新基準を用いた新型車の試験が必要とされており、2015年の排出ガス不正スキャンダルを受けてより厳格な基準が設定されています。
  • この試験結果は、2021年の新型車向け総排出量ベンチマークの算定に利用される予定です。これらの基準を満たさない自動車メーカーは、EUで多額の罰金を支払う事になります。

ポイント

  • 必要なのは、自動車メーカーが申請する排出量に基づく規制ではなく、公式にモニタリングされた試験を通じたCO排出制限の設定と透明性の確保です。
  • 2015年の自動車メーカーにおける排出ガス不正スキャンダル以降、ある自動車メーカーでは、不祥事関連費用積立金を倍増(€16.2bn)し、20年超ぶりに赤字を記録しました。
  • この損失を負担することになるのは株主です。残念ながら、この罰金を支払ったとしたとしても、企業ブランドの信頼性が将来的に保証される訳ではありません。
  • この自動車メーカーによるディーゼル車の排ガス不正操作の発覚を受けて、企業倫理やガバナンス慣行に深刻な懸念が生じています。これらガバナンス問題には、役員の不正行為、会長が執行役であること、関連当事者取引、給与委員会が存在しない、取締役会が過度に大規模、支配株主、種類の株式の種類によって議決権が不平等である点などを含ます。これまで何度も強調してきたように、ガバナンスの質は、企業が他の社会的・環境的リスクをどの程度うまく管理しているかを示す良い指標となります。

出所:ハンデルフブラット、2018年7月

 

サンフランシスコ市の気候変動決議:米国保険会社に圧力

  • サンフランシスコ市は、保険会社に化石燃料事業への保険引受停止と投資処分を要請する決議を可決しました。
  • 保険業界が気候変動問題の最前線にあることを考えると、これは驚くべきことではありません。保険会社は、ハリケーン、洪水、火災、干ばつ、嵐などの気候災害に関する最新かつ詳細なデータを保有しており、これらの事象が今後さらに悪化することを知っています。複数の保険会社は、保険料の引き上げや高リスク地域の一部顧客から保険引受をストップするなど、既に対策を講じています。
  • 欧州の保険会社は、1970年代初期に気候変動の危険性について公式な警告を発表しています。2015年以降、大手保険会社17社が化石燃料企業への投資約300億ドル規模を処分しており、5社が石炭企業からの保険引受を停止または制限しています。欧州の競合他社とは異なり、米国の保険会社の大多数は、ポートフォリオの脱炭素化に向けた計画を公表していません。

ポイント

  • 化石燃料企業への投資処分や保険引受の中止を求め、保険会社への圧力が今後も高まるでしょう。
  • 気候災害はますます深刻化、そして頻発しており、この問題に対するより断固な保険会社の姿勢が望まれています。
  • 気候変動の加速と共に保険金支払いも増加します。気候変動の悪化をもたらす産業に対して、なぜ保険会社が投資や保険引受をするのかは不可解です。しかし、問題解決には時間が必要であり、更なる低炭素経済への着実な移行を管理することが不可欠です。
  • AMPキャピタルでは、長年にわたり豪州の保険会社とのエンゲージメントを実施しており、経済の構造的変化の必要性、そして気候変動リスクの管理には足並みのそろった政府によるアクションが必要であることを早期から認識しています。

出所:インシュアランス・ビジネス・アメリカ、2018年7月

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