地球上で最も乾燥した有人大陸である豪州は、不規則な降水パターン、急速に拡大する都市人口、気候変動への対応に迫られています。生活水準の高い先進国であり、国内の水道や水処理インフラ＆サービスは、安全性、安定性、料金、効率性の観点から、国民の高い期待に沿うものでなければなりません。
しかし、老朽化インフラの更新が急務となる一方で、政府・自治体の財政はひっ迫しており、対応が困難になっているのが現状です。
この状況は、インフラの専門知識を備えた民間投資家にとって、豪州水道セクターへの投資拡大のチャンスです。しかしながら、この有望なオポチュニティには、投資家に公平なリスク／リターンを提供する仕組みをもたらす改革が必要となっています。
その現状
豪州における都市水道と水処理サービスは、極めて断片化しています。その提供を手掛けるのは全国で合計140 局程度ある水道局で、複数の政府機関がその監督を担当しています。全国市町村における上下水道、洪水管理、雨水を担う都市水道セクターは、人口の約８割超をカバーしています。都市水道資産には、ダム、淡水化施設、廃水処理施設、パイプライン、リサイクル施設、放水路、洪水防止設備などが含まれます。
州や準州の州都・大都市圏では、大手公益企業が水サービス事業を手掛けており、そのサービスは大半が利用料金と追加的な政府補助金で賄われています。地方都市では、地元の公益企業が事業を展開しており、地方自治体がその運営を行う場合もあります。これら地方圏では、スケールメリットの欠如、隔絶、異常気象といった課題を背景に、公共サービス義務（CSO）制度を通じてより多くの補助金が必要となるケースも多く存在します。
変革の必要性
豪州の都市水道セクターは、複数の問題に直面しています：
- 都市水道資産の多くは、人々の目には留まらないとこから、忘れられてしまう
- 水道資産の維持、更新、取り替えは多額の費用を要するだけでなく、学校や病院、運輸といった他のインフラと政府予算の確保を競わなければならない
- 既存インフラの老朽化が加速している
独立行政諮問機関である豪州インフラ委員会は、「都市水道改革：変革への道筋」と題したレポートを昨年12月に発行しています。
このレポートでは、都市水道の供給における5つの課題が明らかになっています：
- 拡大を続ける人口のニーズへの対応
- 気候変動の影響に対する対応力の改善
- 老朽化インフラの維持、更新、取り替え
- 変化する地域社会の期待への対応
- 適正な利用料金の維持（対顧客）とコスト抑制（対納税者）
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重要事項
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