インフラストラクチャー

世界動向を受けたインフラ投資機会

By AMPキャピタル

世界的なトレンドを背景とした新たな投資機会の出現とともに、インフラ投資も変化しています。

アジア新興国の台頭、気候変動、デジタル・ディスラプション(破壊的イノベーション)、デモグラフィックの変化(高齢化)といった新潮を受けて、基幹インフラに対する需要が世界的に変化しています。

この流れは魅了的な投資機会を提供しており、インフラ投資を通じた世界経済成長の取り込みを検討している投資家にとって、ポジティブな環境が整っています。

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出所:AMPキャピタル

アジアの世紀

中国の中間所得層は近年大幅に拡大しています。マッキンゼーによると、2000年に同国の僅か4%程度だったこの中産階級人口は、2022年には75%に達する見通しです。インドや東南アジア諸国でも同じようなトレンドが確認されており、2050年には、世界最大経済国6か国のうち5か国は現在の新興国となる見通しであり、上位4か国のうち3か国はアジア圏となるとPwCは指摘しています。

中国政府による現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」や、その高速鉄道リンク、香港~マカオ~広東省珠海を結ぶ「香港・珠海・マカオ大橋」、港湾施設の整備拡張を見れば明らかな通り、これら経済圏におけるインフラ需要は急増しています。

欧米諸国におけるアジア圏中間所得層の消費を考えると、このトレンドは先進国にも影響を及ぼしています。アジア各国では、先進英語圏における大学教育が高く評価されています。今日、豪州におけるサービス輸出でトップを飾るのは、教育なのです。

海外留学生の増加に伴って、有力大学に併設された学生寮の需要が拡大しています。この海外留学生向けの学生寮市場では、通常よりも高いクオリティ基準が求められていますが、支払能力に長けているため、インフレ・ヘッジを提供する長期の高イールド投資の機会が提供されています。

豪州における海外教育サービスの規模(百万豪ドル)

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出所:豪州統計局5368.0.55.003

アジア圏の中間所得層による海外旅行も増加しています。アジア太平洋地域における長距離路線の空路旅行は、今後20年で年率6%超のスピードで拡大すると見込まれています。

豪州の国際空港は早くもこの流れを取り込み、先進国空港の中でも最高水準のEBITDA成長を達成しています。予備キャパシティの欠如や長距離直行便を可能とするテクノロジーの進化を受けて、この成長著しい需要をサポートするための新たなインフラ・プロジェクトに対するニーズが拡大しています。

気候変動

2015年に採択されたパリ協定では、世界の気温上昇を2度未満に抑えるための取り組みが合意されました。この約束と汚染の直接的影響を背景に、運輸とエネルギー・セクターでは再編が進んでいます。

交通渋滞や公害などの要因は、電気自動車、様々な道路料金課金方法の実験、高速鉄道接続、大都市部における公共交通機関の拡大をもたらしており、大規模建設プロジェクトや大量のデータ処理が必要となっています。

気候変動を受けた政府補助の見直しが進んでおり、従来の化石燃料に代わって再生可能エネルギー発電が選好されるようになっています。風力、ソーラー、水力、潮力発電プロジェクトは既に数多く登場していますが、高コストという従来のデメリットが徐々に改善されると共に、今後も拡大を続ける見通しです。

都市部の限られた水資源の管理と給水も課題となっていることから、民間資金の活用余地が残されている分野であると言えます。

デジタル・ディスラプションをミクロレベルで見ると、屋上ソーラーパネルと先進蓄電技術、電力網接続を備えた統合型システムを導入している家庭では、エネルギー費用の節約が可能となっています。これらテクノロジーを活用することで、一般家庭では電気料金80%超の削減を達成しています。

高価だったこれらテクノロジー費用は低下しており、一般的な家庭でも手が届く現実的なオプションとなりつつあります。また、グリッド接続によって電力網の生産性が高まるだけでなく、新たな発電源としての投資機会となる可能性があります。

デジタル・ディスラプション(破壊的イノベーション)

デバイスの自動化・接続が進むにつれ、デジタル・ディスラプションは第4次産業革命をもたらしています。

仕事、エネルギー、サービス提供の分散化が進み、在宅勤務やエネルギー自給率、エリア/自宅配送が増加しています。この様なライフスタイルの変化をサポートするには、データや物流関連インフラへの継続的な投資が必要不可欠です。

先進国では、多くのハイブリッドや電気自動車/配送トラックを目にするようになりました。電気自動車は今後、より手の届くクルマととなるだけでなく、運輸セクターの炭素削減に寄与するものです。

より長期では、自動運転車の普及によって、従来の公共交通手段やマイカー所有に取って代わる、より柔軟性の高いオプションが提供されるようになるでしょう。

しかし、この実現には、道路スペースの安全かつ安定した利用に必要な電力やデータ通信を可能とする大規模なインフラ投資が必要となります。

デモグラフィックの変化(高齢化)

産業化とともに、世界の出生率は1995年から半減しており、先進国では長寿化が進んでいます。日本やイタリア、ロシア、中国といった名目成長が低い先進国では、「人口赤字」(労働力と消費者の減少)が深刻な問題となっています。日本では、このデモグラフィックの変化と移民に対する消極的な姿勢から、労働人口は1994年から減少が継続しています。

このトレンドを受けて医療支出が膨らんでいます。英国の国民保険サービスNHSでは65歳以上への支出が全体の40%超を占めており、今後も拡大すると見られています。長期的な高齢者ケア施設の需要も、今後継続して増加が見込まれています。

この流れを受けて、公的・民間の両方で、新規施設開発に向けた継続的なインフラ投資が必要となります。

結論

これら構造上の世界的なテーマを背景に、多様な高成長インフラ投資機会が創出されるでしょう。

その多くは、運輸、エネルギー、データ/通信、ヘルスケアのセクターが中心となる見通しです。

その一部は、空港といった馴染みのある投資機会となりますが、それ以外は破壊的なテクノロジーや新興国関連の新しいインフラ投資のオポチュニティです。新興国のソブリンリスクやガバナンスリスクは、慎重な管理と地元パートナーの選択が必要となります。

また、高リターン(同時に高リスクともなり得る)が期待できる新興国のインフラ投資は、伝統的なインフラ投資を補完する役目を果たします。成功の鍵を握るのは、優れたプロジェクトの選択と投資先事業における積極的なアセット・マネジメントを可能とする高度な支配権の確保です。

より高いリターンを提供する「新潮インフラ」と伝統的なインフラを組み合わせることで、リスク/リターン特性の観点から高い分散が効いたポートフォリオを構築することが可能となります。

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