今月のESG話題
ソーシャル・メディア:その信頼性は?
化学:ハチに副作用の殺虫剤、使用禁止となるか
ソーシャル・メディア:その信頼性は?
#ToxicTwitter(有毒ツイッター)
- スコットランドで最も著名な女性政治家3名は、ツイッターが女性の権利を尊重していないとして、オンライン攻撃の取り締まりを求めるアムネスティ・インターナショナル(世界最大の国際人権NGO)のキャンペーン「#ToxicTwitter」を歓迎しています。
- ツイッターはこれに対し、「社会から憎悪や偏見を排除する事は不可能である」とし、過去16か月間において、虐待的なツイートに対する対応強化を含む30件以上の変更をプラットフォーム上で実施したと説明しています。
#DeleteFacebook(フェイスブックを削除せよ)
- 政治データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカが、ドナルド・トランプ氏の2016年米国大統領選挙キャンペーン支援目的で、フェイスブック利用者90百万人超の個人情報を利用者の同意なしに購入取得していた事が発覚しました。
- 同選挙期間中、ロシアがフェイスブック上にフェイクニュース(偽ニュース)を流し、米有権者に影響を及ぼしたとして、「ロシア疑惑」の渦中にあったフェイスブックにとって、同件はそのレピューテーション(評判)に更なる打撃を与えるものです。
- ケンブリッジ・アナリティカが政治目的でフェイスブックの規定を違反した事は衝撃的であるものの、フェイスブックがユーザーに対する適切な対応や報告を怠った事の方が、より深刻な問題です。
- 昨年複数の問題に直面したフェイスブックですが、年の後半には、そのユーザー利用時間は1日当たり約50百万時間減少しています。
#DitchYoutube(ユーチューブを捨てろ)
- 大手テクノロジー企業に対して、銃器の宣伝行為の制限を求める声が高まっている事を背景に、ユーチューブは、銃と一部周辺商品の販売・組み立てに関する動画を禁止すると明らかにしました。
- 同社は過去に、爆弾や兵器など、特定種類の動画投稿を許可したとして批判を浴びており、また政府や小売大手マークス&スペンサーといった顕著企業の広告を、過激派の動画や違法コンテンツの横に表示していた点も批評の的となっています。
- ユーチューブは、アルゴリズムを活用してコンテンツの分析と規制を行っており、マシンラーニング(機械学習)によるサポートを活用して、「同社ガイドラインに違反するコンテンツを、素早くかつ効率的に削除する」としています。
- 同社はまた、フラグ報告(ガイドラインに違反していると思われる動画を報告する機能)のデータを取り纏めた定期的なレポートの公表、そしてこれら動画やコメントの削除という対応へのコミットメントを示しています。
<ポイント>
- これは驚くべきことではありません。フェイスブックは、まさしくこの方法で毎年何十億米ドルもの利益を生み出しています。同社のプラットフォームは、収集したデータを活用してユーザーのプロファイリングを行っています。同データはターゲティング広告に利用されるだけでなく、第三者による利用が許可されています。
- 大手テクノロジー企業が利用者から収集したデータの公正な管理者であるかという点について、これら企業に注目が集まっています。米国のみならず、世界各国の政府は、莫大な影響力を持つこれら巨人をどの様に規制するのか、決断が急がれます。
- 豪州競争消費委員会(ACCC)もまた、メディアや広告セクターの競争に関して、サーチエンジンやソーシャル・メディアの影響を調査しています。ACCCは今後、国内の政治広告に対するフェイスブックの影響の調査に踏み出すかもしれません。
- 企業は、オンライン攻撃や個人情報の乱用、物議を醸すテーマやトピックなどから利用者を保護する責任を負っているのでしょうか?これは、私たちが毎日利用している大手テクノロジー企業が直面している論点です。
- フェイスブックやツイッター、ユーチューブの利用者の多くは、これら無料サービスと引き換えに、金銭価値のある個人情報を提供することをフェアな取引だと考えている模様です。メディアでも大きく取り上げられているサイバーセキュリティ問題や、これら大手サービス・プロバイダに対する信頼の欠如などを背景に、この考え方も変化している可能性があります。
- これら企業に対して不満や怒りを露わにする人が増えているようです。主な懸念は、これらプラットフォームを利用しない人が増える事で、広告収入が減少することです。
- これらテック大手にまつわるメディア報道や懸念が高まる中、その勢力を抑制するために、政府は何かしらの手を打つ必要があるでしょう。
- あなたの生活は、どの程度これら企業に影響されていますか?
ハチに副作用の殺虫剤、使用禁止となるか
- 欧州食品基準機関(EFSA)が最近発表したレポートによると、その使用が拡大している農作物向け殺虫剤が、蜂にとって有害、かつ致命的である可能性が明らかになりました。
- 1,500件超の過去研究と収集された補足データのレビューに基づく同レポートでは、3種のクロロニコチニル系殺虫剤が蜂の記憶障害を引き起こし、女王蜂の個体数減少をもたらすことが確認されています。
- 欧州委員会(EC)は2013年にクロロニコチニル系殺虫剤の使用を制限していますが、同発表を受けて全面禁止となる可能性が出ています。EFSAはその勧告をECとEU加盟国に提示し、判断を仰ぐ予定です。
<ポイント>
- なぜ蜂が重要なのでしょうか?多くの作物の授粉には蜂は不可欠です。米国だけを見ても、ミツバチによる授粉に直接的に依存している作物は124億米ドル相当、間接的依存の作物は68億米ドル相当に達します。
- ミツバチによる授粉は、自然界が提供する謂わば無料のサービスです。蜂の個体数が大幅に減少した場合、人口授粉のメカニズムが必要となります。従って、今私たちが手にしている果物や野菜の多くで、入手の容易さや価格に大きな影響が出るでしょう。
- この殺虫剤はニューファーム社によって豪州やその他各国で販売されており、豪州でも幅広く使われています。
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重要事項
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