2017年12月

 

ディスラプション(破壊的イノベーション)という言葉が定着しつつある今、その代名詞とも言えるウーバーやツイッター、セールスフォースが本社を構えるサンフランシスコ不動産市場では、異色の短期的なディスラプションが進行しています。

当社分析によると、複合展示施設「モスコーニ・コンベンション・センター」の改装・拡張リオープンに伴って、サンフランシスコを訪れる観光客数は今後数年間で急速に回復する見通しです。ダウンタウンのマーケット地区に位置する同施設は、ホテルや不動産オーナーを中心としたビジネスに恩恵をもたらす存在です。現在の事業サイクルにおいて、慎重な不動産投資家はホテル投資に警戒心を抱いているかもしれませんが、現在の市場サイクルはターニングポイントを迎えようとしており、急速に改善するファンダメンタルズを備えた世界都市における優良不動産投資を考慮すべきではないでしょうか?

ホテルは上場不動産で最もシクリカルなセクターであり、株価動向は投資家センチメントに影響されやすい特徴があります。過去数年間の米国ホテル・セクターを振り返ると、供給は継続的に維持されており、かつAirbnbといったディスラプションまで登場しています。Airbnbの様な新手の事業は需要の緩和剤となりますが、米国ホテルの収益は10年近く成長が継続しており、入居率や宿泊料金も過去最高水準に達しています。

ホテルにとって、近年の事業環境は容易なものではありませんでした。2014年のエボラ出血熱流行を受けた世界的な懸念の広がり、2015年には出張需要の低下を受けて、ホテル・セクターはセンチメント悪化の影響を受けてました。しかし、その後2017年には、米国税制改革に対する期待を背景に景気感応度の高い企業のパフォーマンスは好転しています。ホテル・セクターでも、市場が成長見通しを織り込むにつれて、バリュエーションは段階的に上昇し、過去最高水準近くまで巻き戻しています。今後を考える上で、サンフランシスコ市場はオポチュニティの模索に値する市場のひとつです。

モスコーニ・コンベンション・センターにおけるイベント関連の観光客は、昨年25.2百万人を記録しています。これら観光客の1日当たりの支出は500米ドル程度で、この大部分はホテル代金が占めます。4年をかけた同施設の改装・拡張はサンフランシスコのホテル市場に大きな影響を与えており、これがディスラプションを促進し、コンベンション目的の観光客は減少しています。同施設は2018年後半に完工予定で、施設スペースは1.5百万平方フィートと21%増となります。極めて単純化すると、グローバル都市では、コンベンション・センターのスペース増加は観光客数の増加を意味し、ホテルを代表とするサービスの需要が増加することになります。

予約データによると、2018年下半期におけるコンベンション関連の販売客室数(客室数x宿泊日数)は、2016年同期から8%増となる見通しです。これは、今後における堅調な需要を示唆するものであり、都市中心部のホテルではRevPar(販売可能客室数あたりの客室売上)の伸びが期待されます。これは当初、カンファレンス関連の客足の上りを受けた稼働率の改善によるものですが、同施設における開催イベントの規模が大きくなるにつれて稼働率は上昇し、ホテル企業の価格決定力が強まる見通しです。

但し、需要が全てではなく、供給も検討する必要があります。サンフランシスコのホテル市場成長見通しは、2018年で僅か2.7%、2019年では1.1%となっています。これに対し、ニューヨークは今後2年間で12.4%の供給増が見込まれており、その他ゲートウェイ市場を中心とした全米と比較しても、サンフランシスコは極めて良好であると言えます。需給のインバランスや堅調なファンダメンタルズからも、サンフランシスコは魅力的な市場のひとつであり、投資家に価値創造のオポチュニティが提供されています。

サンフランシスコ市場に対するエクスポージャーを有する優良ホテルへの投資を通じて、全米ホテル市場がサイクル後期に入る局面でも、特有の需要ドライバーを有する堅調な市場の成長を取り込む事が可能となります。

全ての市場は同一ではありません。だからこそ、オポチュニティが生まれるのです。

 

重要事項:この文書に含まれる情報は一般的な情報の提供のみを目的としてAMP Capital Investors Limited(ABN 59 001 777 591, AFSL 232497)(以下「AMPキャピタル」といいます。)が作成したものです。これは現地において適用される法令諸規則や指令に反することとなる地域での配布または使用を意図したものではなく、かつ、特定の投資ファンドまたは投資戦略への投資を推奨、提案または勧誘するものではありません。読者は、この情報を法的な、税務上の、あるいは投資に関する事項の助言と受け取ってはなりません。読者は(この情報を受領した地域を含む)特定の地域において適用される法令諸規則その他の要件に関して、並びにそれらを遵守しなかったことにより生じる結果について、専門家に意見を求め、相談しなければなりません。この文書の作成に当たっては細心の注意を払っていますが、AMPキャピタルあるいはAMPリミテッドのグループ会社は、予測を含むこの文書の中のいかなる記述についても、その正確性または完全性に関して表明又は保証をいたしません。脚注に示される通り、この文書中のいくつかの情報は、当社が信頼できると判断する情報源から取得しており、現在の状況、市場環境および見解に基づいています。AMPキャピタルが提供した情報を除き、当社はこの情報を独立した立場で検証しておらず、当社はそれが正確または完全であることを保証することはできません。過去の実績は将来の成果の信頼できる指標ではありません。この文書は一般的な情報の提供を目的として作成したものであり、特定の投資家の投資目的、財務状況または投資ニーズを考慮したものではありません。投資家は、投資判断を行う前に、この文書の情報の適切性を考慮し、当該投資家の投資目的、財務状況又は投資ニーズを考慮した助言を専門家に求めなければなりません。この情報は、その全部または一部であるかを問わず、AMPキャピタルの書面による明示の同意なく、いかなる様式によっても、複製、再配布あるいはその他の形式で他の者が入手可能な状態に置いてはなりません。