2016年12月

 

実物資産に対する世界の投資家需要は2017年も堅調さが継続すると見込まれています。

実物資産セクターに影響を与えるテーマは次を含みます:

  • インフラストラクチャー(インフラ)資産のプライシングは、引き続き投資家によるイールド追求の動きを反映した動きとなる
  • 欧州や豪州では、堅調な民営化プロジェクトやM&A活動を中心とした投資機会が豊富
  • 2017年も、政治イベントに注目が集まる
  • 経済回復を受けた利上げは、最終的に不動産ファンダメンタルズにとってプラス

 

2017年の主なトレンド:非上場インフラ・エクイティ

インフラ資産のプライシングは、引き続き投資家によるイールド追求の動きを反映した動きとなる見込みです。低金利環境が長期化する中で、(資本成長よりも)高いキャッシュ・イールドを誇るインフラ資産は、コアを中心に割高となる傾向が続くでしょう。

2017年における注目は、当社でテーマ型インフラと呼んでいるもので、一般的なインフラの特徴を持つものの、仕組みの複雑さから、適当な価格で取得するには、セクターやオリジネーションにおける高度な知識と経験、そして価値の最大化に向けた継続的なアクティブ・マネジメントを必要とするインフラ資産です。

インフラ投資における民間資金の再活性化に向けた取り組みが、世界各地で検討されています。トランプ次期米国大統領はインフラ投資拡大の意向を示しており、大統領選挙勝利スピーチでもこの点を強調しています。資金の拠出に関する詳細は明らかにされていませんが、同氏のレトリックは、非上場インフラ市場のディール・フローの活性化に寄与すると見込まれます。

既存インフラ更新の必要性は、米国に限った問題ではありません。今後数年間で、プライマリー案件が世界的に増加すると見込まれていますが、市場に出回るまでには時間が少しかかるかもしれません。より短期では、大手の施工業者やインフラ企業が今後5年間における案件パイプラインを見据えたバランスシートの検討に着手するにあたり、成熟資産や完工後資産の売却が増加する見通しです。

世界でも最も競争が激しい西欧市場では、プライシングに対する警戒が必要です。バリュー面で最も魅力的なのは、欧州の地中海と北欧、北米の一部市場で、中南米やアジアの新興市場も注目に値すると見ています。インドでは、モディ政権が新しいダイナミックな観点からインフラの見直しを実行中であり、インドネシアもインフラ分野の発展が目覚ましい国のひとつです。タイもインフラ開発に力を入れており、莫大な中国マネーがインフラ投資に流れています。豪州では、ミドル・マーケットを中心に、民営化案件が出回る見通しです。AMPキャピタルではミドル・マーケットへのフォーカスを維持しており、高クオリティ資産の取得に向けてセクター、地域、案件規模を中心に吟味していきます。

2017年の主なトレンド:非上場インフラ・デット

保険企業や年金基金といった世界各地の機関投資家によるイールド追求の動きを受けて、インフラ・デット・セクターは2017年もグローバルで活発な一年となりそうです。欧州や豪州を中心に、民営化やM&A案件のパイプラインが活発となり、投資活動は全ての主要市場で堅調さが継続する見通しです。米国では、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー案件が引き続き市場に出回る見通しで、アジアでもインフラ開発計画に伴った投資機会が提供されると見込まれています。エクイティではフル・プライシング傾向が継続すると見られるコア・インフラ資産ですが、デットでは、シニアのスプレッドはタイトな状況が続くものの、ここ数年継続している銀行貸出基準の厳格化が維持されると見られます。こういった要因を受けて、2017年はメザニン・デット投資にとって魅力的な市場ダイナミクスが提供される見通しです。

2017年のデット市場は堅調となる見通しですが、2016年に発生した主要イベントを受けた不透明感が、投資に影響を与える可能性があります。中でも、ブレグジットの中~長期的な影響、イタリア国民投票を受けた欧州における政局不透明感の高まり、トランプ次期大統領のインフラ計画がもたらす影響などを検討する必要があるでしょう。これらを背景に不透明感が高まるものの、経験豊富な運用マネージャーにとっては年を通じて投資機会が提供される一年となるでしょう。

2017年の主なトレンド:上場インフラ株式

2016年は、ブレグジットや米国大統領選挙、イタリア国民投票といった政治的イベントが市場の注目を集めた一年となりました。2017年もフランスやドイツで選挙が予定されており、この傾向が継続する見通しです。

トランプ氏の米大統領選挙勝利は、エネルギー・セクターを中心とした北米インフラ企業にとってポジティブです。化石燃料生産や関連インフラ分野における規制緩和に前向きな同氏の姿勢は、エネルギー・インフラ企業による設備投資の追い風となるでしょう。2015~16年にかけて、株価がファンダメンタルズから乖離してきたエネルギー・セクターが最も魅力的であると考えており、AMPキャピタルでは、よりクオリティの高い企業へのアロケーションを引き上げています。

一方で、トランプ次期米国大統領による成長拡大に向けた政策や保護主義的な意向はインフレ上昇をもたらし、2017年には米国のみならず世界的な名目金利の上昇につながる可能性があると考えており、これらの動向を注視していきます。この観点から、送配電セクターに代表される低成長で金利動向に敏感なピュア・プレイのセクターは、最近の利回り追求の動きを受けた株価上昇から割高となっており、魅力的なリスク調整後リターンを提供しているとは言えません。

欧州では、最近政治・経済面における不透明感とボラティリティがみられるものの、バリュエーションが魅力的で、通信や運輸といった一部セクターでは長期的かつシクリカルな追い風が吹いており、魅力的な投資先であると見ています。特に通信セクターでは、オペレーション面や財務面でのシナジー達成に向けたM&Aが活発化しており、魅力的な投資機会が提供されています。

2017年の主なトレンド:実物不動産

AMPキャピタルにおける2017年見通しでは、上昇局面の中央まで進んでいた豪州不動産サイクルは、上昇開始直後の段階まで巻き戻されたと考えています。世界の資本市場における低金利環境とボラティリティの継続を受けて、不動産サイクルが長期化すると見られており、2017年は、豪州市場で他グローバル市場を上回る魅力的なリスク調整後リターンが得られるでしょう。今後12~36か月で最も有望なのはシドニーのオフィス市場で、これに続くのがメルボルンのオフィス市場です。小売セクターでは、構造上の向い風を切り抜けられる高クオリティのリージョナル・ショッピング・センターが、引き続き好調なパフォーマンスとなる見通しです。ここ数年で再開発が行われたマッコーリー・センター(シドニー)やパシフィック・フェア(ゴールド・コースト)は、ショッピング・センターの将来あるべき姿の良い実例であり、投資家に莫大な利益をもたらしています。キャップレート圧縮に基づくパフォーマンスの創出が可能なのは今後12~18か月程度であり、インカム成長に向けたポートフォリオの再ポジショニングを行っています。好調なキャピタル市場で非コア資産を売却することで、賃料成長が期待される市場へのウエイトを高めたポートフォリオ構築を行っています。

豪州以外では、米国コア・プラスの運用戦略に注目しています。当社で運用開始してから10年超が経過する同戦略は、1年・3年・5年・7年の各期間で見ても、当社における実物不動産ファンドの中で最高のパフォーマンスを記録しています。米国市場の深みと確立された産業(ITなど)やセクター(集合住宅など)の存在から、魅力的な分散効果を持つアクティブな運用戦略が可能となっています。現在の不動産サイクルにおける最大のリスクはニューヨークやボストン、ワシントンDCに代表されるゲートウェイ市場にあると見ており、実際に過去最大幅の価格調整が入っています。つきAMPキャピタルでは、ポートランドやフェニックス、サンディエゴやフィラデルフィアといった、雇用の堅調な伸びと安定した供給がみられるゲートウェイ市場以外の主要市場を選好し、優れたリターンをもたらす投資案件の発掘やアセット・マネジメント戦略を実行に移しています。

2017年の主なトレンド:上場不動産

2016年7–9月期から出現したリフレ観測を受けて、市場はあらゆる債券代替資産の売りに動きました。堅調な成長が期待される不動産は債券ではなく、低成長資産の代替という不平等な評価を受けた結果となりました。これは誤解に基づく投資家行動であり、実際の所、金利上昇後12ヶ月の期間を見ると上場不動産は平均的に株式をアウトパフォームする事が実証されています。長期でみると、不動産は基盤となる経済の力強さを表すものであり、より重要なのはインフレ・ヘッジの役割を果たす点です。従って、経済回復を受けた金利上昇は、不動産ファンダメンタルズにとってプラスです。成長の伸びは雇用の伸びを意味し、拡大する経済を支えるためにより多くの不動産が必要となります。現在の不動産市場では、ここ5年程度続いている適度な成長の継続が確認されています:(1)比較的先細った供給、(2)世界の機関投資家による不動産アロケーション拡大を受けた需要、(3)クレジット市場へのアクセス、(4)借入コストは上昇傾向にあるものの、過去比較ではまだ低水準、(5)テナントの堅調なファンダメンタルズ。

世界を見回すと、数多くの市場で魅力的な投資機会が提供されており、人口と経済の伸びが堅調な、都市部の市場に注目しています。また、米国の組立住宅や医療オフィス・ビル、豪州・ニュージーランドにおける高齢者ケア向け不動産、そしてテクノロジーの拡大など、退職者増加の動きを受けた投資案件の拡大も確認されています。テクノロジーのテーマに関しては、グローバルのEコマース物流企業(特に米国と日本に注目)や、サンフランシスコ、ミッドタウン・サウス(ニューヨーク)、イースト・エンドのテックベルト(ロンドン)を代表とするIT企業を多く抱えるオフィス市場、また、米国、豪州そして欧州で普及しているオムニチャネルのアプローチを可能とするEコマースやデジタル・テクノロジーを既に取り入れている、時代の先を行くオーナーを持つA++級のモールなどへの投資を通じて、エクスポージャーを獲得することが可能です。

これらは、当社が注目する、複数年に渡って継続が見込まれるグローバルな市場トレンドです。全体的に、2016年のボラティリティを受けて安く手放された世界各地の資産が魅力的な投資先であると考える一方で、一部では最高クオリティの不動産にも注目しています。

 

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