2017年8月

 

米国を中心としたグローバル上場不動産市場は、ここ数年他セクターが体験した様な、ガバナンスに関する厳しい監視の目には晒されて来ませんでした。投資家の多くは、以下に挙げる理由から、上場不動産企業は基本的なガバナンスのルール適用外となる特別ケースであると考えていた模様です。

この状況は変化しています。米国では現在、不動産投資信託(REIT)がそのガバナンス習慣を他セクターと同様の水準まで引き上げるべきではないかという激論が繰り広げられています。

この背景には次の様な現実があります:一般的に、REITは敵対的買収防衛策(ポイズン・ピル)を持ち、創設者が経営と取締役を取り仕切っているため、取締役会の独立性とアカウンタビリティが欠如しています。グリーン・ストリート・アドバイザーズによると、米国経済界におけるアカウンタビリティの一般的水準と同等の水準を維持している米国REITは全体の半分にしか満たないのです。

REITの企業形態や税務構造は一般企業とは異なり、その投資家の多くはREIT専門の投資家が占めていますが、それだけではコーポレート・ガバナンスに対するアプローチが異なる点を説明するには至りません。

このギャップはどこから来るのでしょうか?米国REITの多くはメリーランド州で設立されています。同州の法令下では、REITは株主総会の特別決議なしに買収防衛策の導入が許されており、取締役会にはいつでも取締役選出日の変更を行う権利が与えられています。

この法令は、アクティビスト(物言う株主)による実際の価値に見合わない不当な価格での買収を防ぐ趣旨であると位置づけられていますが、実際は株主保護に対する取締役会のアカウンタビリティを免除しているようなものです。

同レポートでは、グローバルREIT特有のガバナンス課題を検討し、投資家の観点から、改善点と2017~2018年にかけて注目が集まるガバナンス課題を洗い出します。ここで取り上げる課題は、以下の通りです:

  • 株主とのアラインメント:なぜ重要なのか
  • 米国における買収防衛策:なぜ廃止すべきか
  • 豪州不動産セクターにおける役員報酬の持ち逃げ
  • 税務リスク:いつから節税が脱税になったのか
  • 取締役会の構成:優れたREIT取締役会のあるべき姿とは


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